日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【運営委員ブログ】街の本屋さんが消えていく時代に(2024年11月22日)

 

 

出版不況と言われる中で、街の書店が減少の一途をたどり、この四半世紀でついに半減したそうです。私の住む杉並でも数年前によく通っていた本屋さんが閉店してしまいました。

 

文化庁の調査では、全く本を読まない人が6割を超えたそうです。SNSの普及が影響しているのでしょうか。出版物も新刊書の発行点数こそ横ばいですが、発行部数は激減しています。そうした中で、電子書籍は年々歳々増加しています。その9割はコミックだと言われています。コミックも現代の新しい文化の一端を担うものだと思いますが、コミック以外が1割というのはどうでしょうか。街の本屋さんには、「まだ見たことのない本との出会い」があり、地域の文化の拠点といえる存在です。その街から本屋さんが消えていくのは残念でなりません。

 

私の父親は、弱小出版社に勤めていました。いつも自宅に風呂敷に包んだ校正稿を持ち帰り、赤字を入れていた姿を思い出します。私も長年勤務した私学を数年前に定年となり、その後は教養雑誌の編集サポートをやっています。なぜか人生の最後の方で父親と似た仕事をすることになり、感慨深くもあります。

 

本離れは進んではいますが、日消連の活動は、文字媒体に頼るところが大きいです。「消費者リポート」は全国各地の会員相互の輪を作りだし、運動に繋げていく重要な礎です。このような時代であるからこそ、ブックレットやパンフレットが、会員の枠を越えてさまざまな志ある人々にもっと広く行き渡り、活用されることを願っています。

 

(亀山亜土)